こんにちは.さっしみーです.本日はマルではなくピリオドでお送りしております.
LaTeX のスタイルファイル ceo.sty を使うとき,itemize 環境が使えないことがある問題の(とりあえずの)回避方法が分かったので,記事にしておこうと思います.
ceo.sty とは
LaTeXのスタイルファイルに,ceo.sty というものがあります.
これは,予備校の数学の講師として有名な安田亨さんが作られたもので,数学の教科書や参考書でよく使われるフォント「Century Oldstyle」を LaTeX で使えるようにするものです.フォントだけでなく,学習プリントや参考書などを書くときに便利な種類豊富な記号なども含まれており,ボリューム満点のスタイルファイルです.
ceo.sty は,「安田亨とそのグループによる本の夢を作る会社」のウェブサイトからダウンロードすることができます.
URLはこちらです:http://hocsom.com/links.html
スタイルファイルのインストール方法などについては,この記事では省略させていただきます.上記サイトからZIPファイルをダウンロードして解凍すると,インストール方法の書かれたPDFファイルが同封されていると思いますので,その記述に従えば,インストールできるはずです.
インストールの途中で texmf-local という場所を探すことになる場合,TeX Wiki の「TeX Live のインストールディレクトリ」の記述などが参考になるかもしれません.
ceo.sty を使用しつつ itemize 環境を使おうとすると…
たとえば,次のようなファイルをコンパイルしようとすると…
\documentclass{jsarticlek}
\usepackage{ceo}
\begin{document}
甲信越地方とは,次の3つの県の総称です.
\begin{itemize}
\item 山梨県
\item 長野県
\item 新潟県
\end{itemize}
\end{document}
「Missing $ inserted
」というエラーが出て,コンパイルが通りません.
ceo.sty と itemize 環境は一緒に使えないのだろうか…と気分が沈みかけましたが,そうでもありませんでした.
とりあえずの回避方法
スタイルファイルのソースコードをよく読んだとかいうわけではないので,理由はよく分かりませんが,次のように,ceo.sty を読み込む前に amsmath.sty を読み込むようにすると,itemize 環境が使えるようになりました.
\documentclass{jsarticlek}
\usepackage{amsmath}
\usepackage{ceo}
\begin{document}
甲信越地方とは,次の3つの県の総称です.
\begin{itemize}
\item 山梨県
\item 長野県
\item 新潟県
\end{itemize}
\end{document}
正常にコンパイルされ,箇条書きが正しく出力されました.
とりあえずの回避方法ではありますが,無事に ceo.sty と itemize 環境を共存させることができました.
【注意】amsmath.sty より先に ceo.sty を読み込むように書くと,エラーが出てコンパイルが通りませんでした.ご注意くださいませ.
おわり
ということで,もし ceo.sty と itemize 環境が共存させられなくて困っている…というかたがいらっしゃいましたら,お役に立てましたでしょうか.
最後までお読みいただき,ありがとうございました.それでは,失礼いたします.
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