こんにちは。さっしみーです。
「間違いやすい敬語」や「『OO』の正しい使い方」のようなテーマの記事って無数にありますよね。
そういった記事を書いている人って,本当にちゃんと敬語が分かっているのでしょうか。
↑なかなか強い言葉を使ってしまいました(ごめんなさい)。
巷にあふれる敬語に関する記事について,気になったケースを少し書いてみたいと思います。
ケース1:「ご挨拶させていただきます」
「ご挨拶させていただきます」という言葉に対して,
- 「挨拶」に謙譲語の「ご」をつけて「ご挨拶」として,
- 「させてもらう」の謙譲語「させていただく」を使い,
- さらに,丁寧語の「ます」をくっつけたもの
という説明をしている記事がありました。
この説明,なんかちょっと違う気がいたします。たぶん。
もとになる言葉は,どちらかといえば,名詞の「挨拶」ではなくて,動詞の「挨拶する」であるはずです。
(名詞の「挨拶」がもとになっているとするなら,敬語うんぬんの以前に,助詞の「を」がないのが問題だと思います。)
私が説明するとすれば,
- 「挨拶する」の謙譲語「ご挨拶する」に,
- さらに謙譲語「…させていただく」をつけて「ご挨拶させていただく」にして,
- 丁寧語「ます」をつけたもの
となります(だからなんなのって感じかもしれませんが😇)。
蛇足ですが,当該記事の中の例文には「ご挨拶をさせていただきます」も混じっていました。「ご挨拶させていただきます」に関する記事のはずなのに…と思いました。笑
私としては,「ご挨拶をさせていただきます」と「ご挨拶させていただきます」は分けて考えるべきだと思います。
前者は「挨拶をする」という文がもとになっていて,後者は「挨拶する」という動詞1語がもとになっており,見た目は似ていても文の構造が全く違うと思っているからです。
ケース2:「お越しになられる」
とある記事に,「お越しになられる」が誤りだという指摘がありました。
二重敬語なので,ごもっともです。なのですが,その説明があやしいと感じました。
「『お』と『られる』の二重敬語」と書いてあったからです。
「お」というより,「お〜になる」ですよね。動詞を尊敬語にする一般的な形ですね。
このように(「お〜になる」により)尊敬語が作られることを本当に分かって書いているのかな,と疑問に思いました。
また,同じ記事の中で,次のようなものもありました。
ケース3:「担当者にお伝えします」
ケース2と同じ記事の中に,「担当者にお伝えします」がおかしいという指摘もありました。
たしかに,自分の社内の担当者に伝えることを言う場合,謙譲語である「お伝えします」を使って「社内の担当者」を立ててしまうのは,おかしいですね。
でも,その記事の中には「『伝える』は自分の動作なので,『お』をつけるのは間違いだ」との旨が書いてありました。
的外れだと思いました。
「お」が含まれていることが問題なのではなく,謙譲語を使って立てるべき相手が適切でないことが問題であるからです。
なお,ここで,「立てる」という言葉は,「言葉の上で人物を高く位置付けて述べる」という意味で使っています。(「敬語の指針」にならってみました。)
そういえば…
私,学生の頃,こちらの本を購入していたみたいです:
まだちゃんと読んでませんでした。😇
……などという露骨なアフィリエイトリンク貼り付け,大変失礼いたしました。笑
(でも,買ったのは本当です。そして ちゃんと読んでないのも本当です。笑)
おわりに
お読みいただき,ありがとうございました。
私は,中学校の国語の授業で敬語を習いました。
「ここではご飲食できません」と「ここではご飲食になれません」から(お客さんに対して言うときの)正しい敬語を選ぶ問題は,今でも覚えています。
(多少違和感がありつつも,尊敬語の作り方に従った「ご飲食になれません」が正解なのですよね。印象的でした。)
でも,世の中には「ご利用できません」を始めとする敬語の誤用が大変多くあります。
いちいち気にしていたら疲れてしまうので,「自分が言われた時は気にせず,でも自分が言うときは きちんと」という感じで過ごせたらいいのかもしれませんね。笑
少し話がずれました😇
義務教育で習ったはずの「お[ご]〜する」・「お[ご]〜になる」という謙譲語・尊敬語の作り方を無視して,敬語の誤用について論じている記事に違和感を覚えた,という話でした。
敬語の記事に限らず,巷にあふれる記事の中には,本当に正しいのか分からないものも 少なからずあると思いますので,気をつけていきたいですね。
こんな記事を書いておいて 私のほうが間違っていたら,お恥ずかしい話ですね…。そのときはごめんなさい。
それでは,今日はこのへんで失礼したいと思います。では!👋
コメント